んがお工房の桜めぐり


2005年置賜さくら回廊
その1 南陽市から長井市へ

置賜さくら回廊の位置、それぞれの桜についての説明は公式サイト置賜さくら回廊が詳しいので、そちらをごらんください。
交通や駐車場について分かりづらい桜については、本文中で説明してありますので、参考にしてください。
また、桜の写真の一部は、ダンナのアルバム 2005年桜 蔵出し! にて大きくして見ることができます。


置賜さくら回廊の存在は、かなり前から知っていた。
山形といえば、我々の住む新潟からはさほど遠くない。行っていけない距離ではない。
今年こそはぜひ見に行くつもりでいた。
が、今年は開花が早かった昨年に比べるとかなり開花が遅れていた。連休のになる4月16日17日を山形に行くのだと決めていたというのに、その頃には全く咲く気配もない。今年はどうやら我々の休みと桜の開花がずれてしまいそうな気配だった。
そうなると、今年のさくら回廊はあきらめざるを得ない。咲いていない桜を見てもなんの意味もないのだ。
しかし、遅くなるもなったり、なんと、GWまで開花がずれこんでしまったのである。
神様は我々に味方した。
連休に満開が重なる勢いだ。
これは行かずばなるまい。
開花状況をにらみつつ、数日前にうまく長井市に宿を確保することができた。
GWの前半、4月29日に出発だ。その日はダンナが朝の用事があるので、完全にお花見気分でお弁当などを作ってしまった。家を出たのは、午前10時すぎ。山形に向かう途中でどこかお弁当を食べるつもりでいた。

ところが、なんと、午後1時前にはさくら回廊の出発点である、烏帽子山公園に着いてしまった。げ、近いのか、山形。
満開というから烏帽子山公園などはさぞ渋滞しているだろうと思っていたら、まったく渋滞していない。よくわからずに商店街に入り込み、ほぼ入り口まん前の「えくぼプラザ」の駐車場にすんなり駐車できてしまった。


烏帽子山公園


石の鳥居も桜が覆う。


鳥居脇のしだれ桜。


こちらは石鳥居を越えて、
八幡宮の奥、烏帽子の石の裏の
見事なしだれ桜。




輪廻の桜
濃いピンクが愛らしい。



二代目放鳥目白桜
ご神木というわりには目立たない。
先代を超えるには、
もう300年は必要かも(笑)
本来なら公園の奥にある大きな駐車場に止めるのだろうが、とにかくわからずに商店街にとめてしまって、我々はめがね橋のある石段から入ることになった。
入るなり、石段の左側にとてもきれいな濃いピンクをした枝垂れ桜が目に入った。
「輪廻のさくら」、と看板がついている。
親木の空洞に実が落ちて子供の木が成長し、今は共生してどちらも生きているという木らしい。
由来はどうあれ、とても綺麗な花がまず我々を迎えてくれた。

  めがね橋の下の石段。

  輪廻の桜。

さて、烏帽子山公園。ここはかなり広い。我々は行けばマップくらい手に入るだろうと思っていたが、石段をのぼりつめてもそれらしい場所はなかった。
とにかくにぎやかな方に向かって、それから、空腹を満たすべく桜の下のベンチに陣取った。
この公園はじつにいい。
桜の種類が豊富なのだ。
ソメイヨシノのこんもりとしたピンクだけでなく、枝垂れもヤマザクラも、とにかく色々なピンクと葉っぱの緑と赤が混在していて、見ていて飽きない。それにあちこちにベンチがあって、座ってお弁当を広げるのにも困らない。
カラオケやったりビールあおったりしてどんちゃん騒いでいるグループもない。焼肉みたいな派手なアウトドアをしているグループもいない。
なんだか、のんびりゆったりお花見ができるのである。
お弁当を食べ終わってから、広い場所でお茶のサービスと公園の案内図がおいてあるのを発見した。
それを見て、あ、ここには「二代目放鳥目白桜」という木があることと、全国の名桜の二代目が植えられているのだ、というのを思い出した。
案内図を頼りに二代目放鳥目白桜を見に行った。なぜ「放鳥目白」などという名まえがついたのかは分からないが、先代は400年以上の樹齢の桜だったらしい。とはいえ、二代目も樹齢120年くらいだそうだから負けていない。
ただ、ちょっと目立たない場所にたちすぎている。石造りの大鳥居のすぐ脇にものすごく見事な枝垂れ桜があり、目がどうしてもそちらに行ってしまうのだ。
花が目の前の枝垂れ桜に比べるとどうしても目立たない。一応二代目放鳥目白桜もエドヒガン系の枝垂れ桜なんだけど。

二代目の名桜たちはまだまだ若い木で、見栄えするものではなかった。三大桜の二代目を撮影するつもりだったが、山高神代桜の二代目は本当にまだ赤ちゃんの苗木で撮影するに堪えなかった。

  二代目滝桜。

  二代目淡墨桜。

  
こんな爺さんも木の上に・・・ 


次に目指すのは、双松公園の桜だ。
地図を頼りに道を進む。と、どうもこの道は前に来たことがある道のような気がしてきた。
あ、この道、2003年の秋に山形の滝をめぐった時、ラーメン屋を探してウロウロした道である。えーーーっ、置賜さくら回廊って、あのあたりだったのかーーー、と、こんな所で頭の中で地図が重なった。今の今まで同じ場所だとは気がついていなかった。地図オンチも甚だしい。(2003年秋のレポートはここへ
ついでに、双松公園が熊野神社の隣にあるのも、近くに行くまでちっとも気がつかなかった。



双松公園



眺陽桜
緑色の芝の上に咲いていて、
実に優雅に見える。
南陽市を一望できることから
眺陽桜の名まえがついた。




慶海桜
町並みを見下ろしている桜。
慶海は、この公園の古い地名、
慶海山からついた。
どちらの桜も樹齢は160年ほど。
見覚えのある熊野神社の駐車場に自動車をいれ、双松公園はどこだ?と探すと、案内図があった。バラ園で有名な公園らしいが、目当ての桜はどこにあるのか?
どうも、坂道を登った先にあるらしい。
よくわからない我々は徒歩で坂道を登って行ったが、自動車でらくらく登れるらしかった。眺陽桜の上に駐車場がある。
徒歩で登った我々は、下から眺陽桜を見上げることができた。

  


  

斜面の上にこんもりと揺れている枝垂れ桜は、遠目にも見事である。お日柄がよろしかったのか、結婚式の記念写真をこの桜の前で撮影しているカップルがいた。春のさかりに結婚すると、こんな特典もあるのだ。

  


ところで、慶海桜はどこだ?これは、下の駐車場にあった案内図にも書いていなかった。が、眺陽桜の広場の前に矢印看板が出ていた。その矢印に従って、遊歩道のような道を下って行く。下って行くと、門のような場所に出て、矢印が一本の小さな枝垂れ桜を指していた。
えー、これが慶海桜?あまりにも小さくないか〜?
よくよく見ると、遊歩道がさらに先に伸びている。矢印は、このチビ枝垂れ桜を指しているようにも遊歩道の先を指しているようにも見えるのだ。
とりあえず、先にも行ってみることにした。
カーブを曲がってみて、あっと声をあげた。ものすごく立派な枝垂れ桜が町並みを見下ろしていたのである。
高台にある双松公園からは、町並みが一望できる。その斜面に立っている慶海桜は、まるで町をやさしく見守っている母のようにも見えるのだ。
しかし、花が眺陽桜よりもかなり少ない。こちらのほうが老木なのだろうか。
そう思って見上げていると、犬をつれた男性が「いつもはもっと綺麗なのだ」と話しかけてきた。
今年は鳥が出たばかりの花芽をどんどんついばんでしまって、花が少ないのだと言う。ここを散歩コースにしている男性としては、もっと見事な慶海桜を見てほしかったのだろう。かなり残念な様子だった。


さくら回廊は南陽市をぬけて、長井市に入る。
途中に漆山の黄桜というのがあるが、この桜は咲く時期がずれているのでパス。
長井市に入ってすぐにかすみ桜というのがあるはずだ。
地図と案内板を頼りに行ってみても、ピンク色は全く見えない。あれれ?木といえばあの枯れ木だけだぞ。




かすみ桜
見ごろは5月上旬から下旬。
この桜も他の桜から1ヶ月ほど遅れて開花する桜だったのだ。
どこから見ても完全な枯れ木。
なんだか、華麗な桜ばかり見てきたので、この姿は火事でもあって焼けてしまったのかと思えるほどだった。
近寄ってみるとちゃんと固いが花のつぼみがあったので、枯れているわけでも、焼けたわけでもないのがわかった。
田んぼの真ん中の一本桜なので、咲いたら綺麗なのかもしれない。
しかし、田んぼの真ん中なので、道はあぜ道のようなものだ。近くに駐車場も全くなく、Uターンするのも困るようなスペースしかない。県道248号から遠目に見える。



長井市に入って、いよいよさくら回廊の主役の登場になる。
伊佐沢の久保桜である。
今までは本当に有名桜なのかしらん、と思うくらいに混雑はなかったが、近づくにつれ自動車が増えてきた。
そろそろ夕方に近いのに、久保桜にたどり着くには少し待たなくてはならないようだった。




伊佐沢の久保桜
色がセピアっぽいのは、夕方近かったため。
樹齢約1200年のエドヒガンザクラ。





散る直前。
本当に満開の状態だった。
県道から久保桜までは少し離れている。が、距離があってもあそこに久保桜があるのだとすぐにわかった。そこだけほんわりピンク色なのである。
学校のグラウンドととなりあって久保桜は立っていた。
しかし、そのグラウンドの脇の道から渋滞になってしまった。駐車場はあることはあるのだが、来る見物者の人数分は無いのである。正規の駐車場の奥にある道路工事か何かの資材置き場まで借りて駐車場にあてていた。大きなブロックの山の脇に自動車を止めるのは、けっこうスリリングだ。
桜に近づいてみると、圧倒された。
国の指定する天然記念物というのは、さすがにそれだけのことはあるのだ。
木の周りをぐるりと木道がとりかこみ、根を保護している。その木道の上をとぎれることなく人が歩いて、桜を見上げていた。
カメラマンも数多く、三脚の林ができている。桜とカメラの間に人がいないことのほうが稀で、その瞬間はあちこちでシャッター音が響く。

学校のグラウンドの周りにもたくさん桜が植えられていて、ぼんぼりなども下げられていた。売店もあり、花見ムード満点だ。
しかし、主役は久保桜。この堂々たる一本桜のもとでシートを広げて酒盛りする人なんて、もちろんいない。

  


  

木道をぐるりと回ると、360度の久保桜を楽しめる。どの角度からも見栄えのする桜である。枝を支える木もひとつのオブジェとなって、綺麗だ。
いつまでも眺めていたい桜である。


今日のメインイベントである久保桜も見終えたので、温泉にでも入って、宿に向かうことにした。
長井市には長井あやめ温泉桜湯という日帰り温泉施設があるのを事前に調べておいた。
さらに、その近くに三階滝という滝があるのも事前に調べておいた。
今回は桜がメインなので、滝はおまけのつもりだが、滝好きが近くに滝があるのを知っていて寄らないわけにはいかない。しかも、その滝のそばには湧き水もあるという情報まである。
まだ日が高いので、自動車を先に進めてしまった。
そこで、ちょっぴり足の筋肉に過剰な労働を課してしまったのだが、それは滝のレポートにて報告したい。(滝のレポートはここへ
滝で冷えた体とこわばった筋肉を温泉で温めて、気持ちよくお風呂をあがっても、まだ日光は輝いていた。(温泉のレポートはここへ
とすれば、この近くに草岡の大明神桜、白兎のしだれ桜、釜の越桜、薬師桜がある。
特に釜の越桜のあたりは渋滞ポイントなので、見てしまえればそれにこしたことはない。
日没と競争になるが、まわってみることにした。

その2 夕刻から夜桜 へ続く

2005年置賜さくら回廊
その1 南陽市から長井市
その2 夕刻から夜桜
その3 白鷹町


 
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