んがお工房の桜めぐり


2005年置賜さくら回廊
その2 夕刻から夜桜

置賜さくら回廊の位置、それぞれの桜についての説明は公式サイト置賜さくら回廊が詳しいので、そちらをごらんください。
交通や駐車場について分かりづらい桜については、本文中で説明してありますので、参考にしてください。
また、桜の写真の一部は、ダンナのアルバム 2005年桜 蔵出し! にて大きくして見ることができます。


露天風呂を温室のガラスで覆っただけのような長井あやめ温泉桜湯を堪能したあと、まだ日も高かったので行ける範囲の桜を見てしまおう、ということになった。
一番近いのは草岡の大明神桜である。
県道11号に戻り、草岡を目指して走ると、しっかりと案内板が出ていた。
その案内に従って左折すると、見事な桜が目に入って来た。おお、あれに違いない。
いや、待て、駐車場は別の所にあるぞ。
よくよく見ると、見事に見えたのは学校のグラウンドのまわりを取り囲んでいる桜の木だった。角度によって1本の大木に見えたのだ。だが、そうとわかっても満開から散り際の桜並木はすばらしかった。




草岡の大明神桜
伊達政宗の初陣の時の逸話がある。
樹齢約1200年のエドヒガン。
夕暮れのため
シルエットになってしまった。
駐車場から田んぼのあぜ道のような道を歩いて行くと、農家の庭のような場所に出た。
本当に農家の庭、農機具を置く倉庫とビニールハウスに囲まれるような感じで巨木がすっくと立っていた。
これはかなり背の高い桜である。
樹齢といい、大きさといい、久保桜に負けていないのだが、環境が個人宅の庭の木、と言った感じなので、派手さが無い。現にちっちゃな自転車で子供がまわりをまわって遊んでいたりする。
木のまわりにはカタクリなどの山野草が植えられていて、本当に素朴な感じだ。

  
左の写真の裏側。添え木さえも素朴だ。


写真ではシルエットにしか見えていないが、人間の目というものはかなり高性能なので、しっかり綺麗に桜が見えていた。この調子ならまだ数本は行ける。そう判断して、次の白兎のしだれ桜に向かうことにした。この桜までが長井市で、ここから向こうが白鷹町なのである。






白兎のしだれ桜
こちらも見事なシルエット。
樹齢120〜140年のシダレザクラ。
白兎は地名なのだが、
名まえのとおり2本の枝が伸びていて、
まるで兎の耳のようである。
白兎のしだれ桜は、公式HPの地図では駐車場が無いということになっていた。赤色回転灯が目印、ともなっていたので、それを目当てに自動車を走らせた。
県道11号を走っていると、みごとなピンク色が見え、あれがそうかと思ったら、別の神社やら民家やらの桜の木だった。
桜の名木のある地域は、名木に劣らない木々がそこらじゅうにある。この桜回廊も町全体が桜色だ。
しばらく走ると、大きく葉山神社の看板が道の左に出ていた。その看板に間借りするように小さくしだれ桜の案内もくっついていた。
白兎のしだれ桜を探すには、赤色回転灯よりもこの葉山神社の看板のほうがかなりはっきりした目印になる。ちなみに回転灯は、ついていなかったので夕暮れではわからなかった。
駐車場も、実は5台以上とまれるスペースが桜の前にある。ただし、そこは桜のための駐車場というわけではなく、神社の駐車場らしかった。
県道から神社に向かって入っていくと、とてつもなく大きな杉と白兎の石像が出迎えてくれる。その杉から目を左に向けると、神社の一角というよりは、社務所の庭の片隅といった場所にしだれ桜は立っていた。
  
若い木だというのに、ちょっと年寄りみたいな寂しさを感じさせる木である。
夕暮れと、風にゆらぐしだれの様子がそう感じさせたのかもしれない。
花をひとつひとつ見ると、濃いピンク色で、可愛らしかった。

  


さて、地図を見ると、白兎のしだれ桜からさくら回廊の準主役である釜の越桜は目と鼻の先である。
何度も書くが写真では薄暗いのだが、感覚的には明るかった。時間にして、午後5時20分である。
公式HPでも釜の越桜の渋滞は特記されているので、混雑する時間には行きたくなかった。どうせだから見てしまうか、ということになった。




釜の越桜(夕刻)
はい、見事に真っ暗でしたとさ。
しかし、我々はきっちりと見えていたんですけどね。
ただ逆光になるので写真はマトモには写っていないと分かっていた。これは明朝来るほうが賢い。
しかも、ライトアップもされるようだし。
夜もう一度来る時のために場所を確認したのだと思うことにした。
それでもたくさんのカメラマンがあちらこちらからこの巨木を撮影していた。

       昼間の釜の越桜はこちら


と、いうことで、本日の宿に向かった。
ほんの二、三日前に慌てて予約した長井市のビジネスホテルである。チェックインを済ませて、ちょっと一息。
お風呂にはもう入っているし、あとは真っ暗になって桜がライトアップされる時間まで夕食を食べればよい。
そういうわけで、ライトアップされる久保桜にむかって、もう一度自動車を発進させた。
ところが、である。走っていればファミレスか何かあるだろうと思っていたら、ものすごく甘かった。
稀に見る夕食難民をしてしまった。
外食できる場所がひとっつもないのである。
いや、選ばなければあるにはあるのだ。焼肉屋とかね。伸びていそうなラーメン屋とかね。
おいおいおいおい、私たちはここまで来てコンビニ弁当なのか?と心配してしまった。しまいに久保桜を通り越して、南陽市に入ってしまった。
やがてポツポツとドライブインの姿が。ドライブインと言っても小さい定食屋なんですけど。これを逃すと本当に夕食を食いっぱぐれる。その中の「餅屋」というドライブインに入った。おもしろい所で餅がメイン商品だった(笑)本当に最初は餅屋だったんだなぁ。食べなかったけど。そこそこ美味しいラーメンでした。(←結局ラーメン食べているんかいっ)
注意事項である。山形には一握りの大都市以外にはファミレスは無い。その代わりに地元の温かい食堂が味わえる。
南陽市まで来てしまったので、また結構な距離を久保桜まで走ることになった。
久保桜は、昼間来た時ほどは混雑していなかった。




久保桜(夜桜)
宵闇にうかぶ久保桜。


木で作られたぼんぼりなども
灯される。。
混雑はしていなかったが、昼間いた駐車場の案内係りの人がいないために無法状態になっていた。入り口で自動車が右往左往している状態である。ちょっと駐車に手間取ったが。
さて、夜桜、というよりライトアップされた久保桜。
私はいままで、夜桜というのはあまりパッとしたイメージを持っていなかった。と、いうのも、三大夜桜で有名な新潟の高田公園の夜桜があまりいい印象がなかったのだ。ぼんぼりの明かりがともされているのと、宴会の騒ぎと酒のニオイくらいしか頭になかった。
ところが、久保桜のライトアップを見て夜桜のイメージが変わった。
とにかく、綺麗です。
昼間見たよりもバックが宵闇になったぶん花が浮き立つ。
しかも、ライトの加減で陰影が濃くなって、立体的になるのだ。
ライトアップって、桜にはよくないんじゃないの、という感じしかなかったのだが、これほど美しいのなら、このひと時桜の木に我慢してもらいたくなった。
もしかしたら昼間より長い時間桜を見上げていたかもしれない。
もしさくら回廊に行く機会があるなら、ライトアップされた桜は見ておいて損はない。そのための時間を設けてみてください。
ちなみに、昼間はあたたかでも、夜はかなり冷えるので、上着は忘れずに。

     昼間の久保桜はこちら


次は釜の越桜である。
ホテルに資料をおいてきてしまったので、ライトアップしている桜はあとはこの桜以外にわからなかった。
とりあえず、主役と準主役を抑えておけばよいだろう。
昼間走っているので、道は大丈夫だ。




釜の越桜(夜桜)
今年は開花が遅れたため、
せっかく満開なのに、
ライトアップはこの日までだった。
背景に雪山が入るのでカメラマンたちが群がる釜の越桜、ライトアップはそれほど人はいなかった。だが、さすがに準主役、その姿を見ようと近隣の人たちが集まっている。
夜になって強くなった風が古木の枝を大きくゆらし、夕刻には満開でひとひらも落ちていなかった花びらをどんどんと飛ばしていた。
真っ暗な空に花びらが舞うのは幻想的である。
幻想的だが、寒かった。

              昼間の釜の越桜はこちら

もう夜8時を過ぎている。ライトアップは桜の保護のために8時半までだという。
あとは宿に戻って、明日のためにさっさと寝てしまおう。
明日は早朝から、この釜の越桜からスタートするぞ。


その3 白鷹町 へ続く


2005年置賜さくら回廊
その1 南陽市から長井市
その2 夕刻から夜桜
その3 白鷹町


 
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