西吾妻スカイバレーの滝
潜り滝

 2003年11月の山形
2005年10月の山形はこちら 



赤滝、黒滝
ともに落差100メートル。
逆光では全く見えない。
赤い矢印の所に滝があるはず。
肉眼でもやっと見えた程度。
朝にこの滝たちは
写真撮影に向かない。



芳澤不動滝
落差10メートル。
滝行の滝らしいが、
それほど打ち付けるような滝ではない。
むしろゆるやかで優美だ。



白布大滝
二段になっている上段は、
人工の堰堤から落ちている。
合わせて落差15メートルくらいか?
県道からかなり降りないと見られないので、
苦労させて人工かい?という
気分が拭えない。



降りる途中に分岐している
滝見スペースから見た大滝。
上から見るとけっこう落差があるように
見える。




潜り滝
穴から出る滝。
穴の向こう側にも行けるらしいが、
行かなかった。
落差は14メートル。



大きさ比較。
もっと思いのほか滝が小さくなって
しまった。
私は岩盤に触れられるくらいの距離です。



上の立ち位置から撮影。





滝のそばには紅葉する樹木が。
もう少し早い時期なら
美しかったに違いない。

2003/11/2 赤滝、黒滝、芳澤不動滝、白布大滝     山形県米沢市
滝をめぐっていると言うと、ここにこんな滝がある、ここに面白い滝がある、と、情報が集まるようになる。今回の山形の滝はそんな情報がうまい具合につながって、じゃあ行ってみるか、ということになった滝たちである。
情報の出所は山形在住のdonaldさん。今回はほとんどdonaldさんの情報をたどるドライブになった。
まずは早起きして、新潟を出発。福島県から山形県を結ぶ西吾妻スカイバレーという有料道路が今年の7月から無料になったので、そこから山形入りすることにしている。
そこに入るには秋の一大観光地である五色沼を通らなければならない。ここが渋滞する前にぜひとも通り抜けてしまいたい。
未明から出発して、福島県に入る頃には夜が明ける予定だった。が、いっこうにお日様が姿を現さない。予報は晴天。なぜにお日様が拝めない。答は霧である。前の自動車がブレーキでも踏まない限り視認できないくらいの濃霧が国道49号線を覆っていた。ずーっと真っ白。おいおい。これは雨が降るより悪いんではないか?なにせ景色が全く見えない。せっかく紅葉が美しいだろう飯豊の山々も全く見えない。滝なんて、見えるわけがないような霧である。
福島県に入っても霧。喜多方をぬけても霧。もうそろそろ桧原湖というあたりで、おおっ霧が晴れてきた。
晴れてみてびっくり。あたりの風景はすっかり冬。葉っぱの落ちた木々ばかりで、紅葉はわずかに残ったカラマツくらいのものである。まあ、今回の目的は紅葉ではなくて滝だ。霧が晴れてくれればそれでいいのだ。
桧原湖をまわって、いよいよ西吾妻スカイバレーだった道に入る。けっこうな九十九折の道でぐんぐん高度を上げていって、あっという間に標高1400メートルを超えてしまった。新潟からずっと私たちを悩ませ続けてきた霧はすっかり晴れて、眼下に桧原湖などが望める。スカイバレーってヘンな名前と思ったが、確かに空にいる気分になる。
 
西吾妻スカイバレーの標高1400メートル付近。
峠をぬけて、やや下ると、双龍峡の文字が見えた。ふと見ると最上川源流の立て札がある。さて、ここが赤滝と黒滝の滝見台なのか。わからないまま降りてみると、一応木の矢印で赤滝、黒滝とあった。
しかし、見事なまでの逆光。肉眼でも滝が見えない。本当に見えない。わずかに白い部分があって、あれが滝か?と思えるくらいである。これは失敗だ。この季節の午前中に赤滝、黒滝を見に行ってはいけない。
 
黒滝、赤滝よりも最上川源流という立て札が目立つ。
最初の滝がこれとは、ちょっと気落ちしてしまった。が、出発してすぐに目の前に小ぶりの滝発見。この滝は下知識はなかったが、なかなか綺麗な滝である。看板によると修験者が滝行した滝らしい。こちらの滝はちょうど日光が当たっていた。すっかり周りの木々の葉が落ちてしまっていたが、紅葉時には綺麗なことだろう。
とりあえず綺麗な滝を見ることができて、気持ちが建て直った。あとは終点の白布温泉にある白布大滝を見ればスカイバレーの滝は終わりである。
白布温泉は硫黄のニオイがプンプンする温泉で、滝よりけっこう離れたあたりに温泉の共同の駐車場がある。そこに自動車をとめて、道路下にある滝まで降りて行った。これがかなりきつい斜面だった。木の根っこをそのまま階段に利用して、あまりにきつい斜面のためあとからわざわざ付け足したような手すりがあるのだが、それにすがって降りなければ降りられないくらいなのだ。どんな滝なのか、イヤでも期待は盛り上がる。
が、やられてしまった。
なんと、滝の上の部分が人工なのだ。
これは、滝っていうよりは堰堤というのではないか。ただし、下段は立派な滝である。
どういう経過があって、上の段が人工になったのかは分からないが、かなり古そうな石組みの堤だった。おそらく崩落したのではないかと思われる。
 
人工部分のアップ。古そう。
人工物でも綺麗ならNGは出さない私なのだが、この滝は県道から降りる道が険しかった分印象が悪くなってしまった。せめて入り口に写真なり説明書きなりがあれば、そういうものだと思って見に行くのに。ちょっと残念だ。白布大滝の下流は柱状摂理が見事な渓谷になっている。滝をメインに考えなければ、温泉と渓谷のなかなか風光明媚な場所である。
気分が沈んだり浮いたり沈んだりする。これから先は3年前に行って霧のため見ることができなかった滑川大滝へ行くのだが、まさかまた霧で見られないということはあるまいな。沈んだ気分は浮上するだろうな。
幸い、道路ではヒヤヒヤしたが、滑川大滝は素晴らしい姿を見せてくれた。(滑川大滝についてはここへ
完全に気分は浮上。そして、いよいよ山形まで行くつもりにさせてくれた滝へ自動車を走らせた。

潜り滝(くぐりだき) 山形県南陽市
以前、新潟県新井市でトンネルから沢が流れ出て、そのまま滝として落下するめずらしい滝を見たことがある。おもしろい滝だなぁと思ったが、この潜り滝も穴から出て来る。(新潟の屏風岩の滝のレポートはここへ
穴というより、輪っかから出てくる。どうしてまたこんなオブジェが自然に出来上がってしまったのかは不明だが、とにかくおもしろい。
Donaldさんの話によると穴場的な滝なのだそうだが、私たちが行った時には行きも帰りも3台以上の自動車がとまっていた。駐車場はがんばれば10台くらいはとめられそうな広さがあるが、そこに至る道が少々狭い。ただ、沼なのかダムなのか、沢が広くなっている場所があって、そこがとにかく美しかった。黄色くなったカラマツが水面に映って、まるで海外の風景のようである。あいにく駐車スペースがなくて、その写真はない。紅葉の最盛期にはさぞ綺麗になることだろう。
潜り滝は、思っていたよりも小ぶりだが、表情の豊かな滝だった。上段はするりとまっすぐに穴から落ち、下段は岩盤に広がってそれほど深くない滝つぼに落ちて行く。
これももう少し早かったなら手前の木が紅葉していて綺麗だったことだろう。
 
駐車場からやや歩くとこの看板の場所に出る。ここらか100メートル。

 
カラマツがとても綺麗だった。

 
看板から滝までは木道が続いている。

 
滝の穴のアップ(笑)
午後3時頃に到着したのだが、すっかり日陰になってしまっていて、暗かった。
念願の穴から出る滝を見て、あとはdonaldさんオススメのラーメンを食べに赤湯温泉に行くだけだ。名前しか知らなかったので、少々迷ったがなんとかお店を発見することができて、中途半端な時間だったのにできていた行列に並んだ。小さい店舗だったので、わりと待ちました。「龍上海」。辛みそラーメンが絶品とか。私は辛いのが苦手なので醤油ラーメンにしたら、後回しになってしまったよぉん。余計待って、並び初めてから食べ終わるまで1時間くらいかかってしまった。でも、美味しかったです。
どうせ赤湯温泉に来たので、途中に見かけた温泉銭湯に入って、今回の山形の旅を終えた。(温泉銭湯のレポートはここへ)滝ばっかり見て、観光名所に寄らないドライブは毎度のことだが、それでも今回は一応有名ラーメンを食べたし、なかなか充実した滝めぐりだったと思う。


 龍上海を探して宮内の熊野大社に寄った。

 銀杏がまっ黄色。秋真っ盛り。
交通
 西吾妻スカイバレー 福島県北塩原村の桧原湖の北端から山形県米沢市の南端にある白布温泉を結ぶ道。2003年7月までは有料道路だった。この道の米沢市がわに黒滝、赤滝、芳澤不動滝がある。黒滝、赤滝は最上川源流と書いた立て札のある場所から遠望で見ることができる。芳澤不動滝は道のすぐ脇にあるので見落とさないと思う。
白布大滝は白布温泉の斜面で言えば上の端ほうにある。入り口に木の看板があるのですぐ分かると思うが、けっこうキツイ斜面を下るので注意が必要。駐車場は坂の下のほうに共同駐車場がある。
 
潜り滝 米沢市を起点に。国道13号線を山形市方面に向かって北上。赤湯温泉の交差点で国道113号へと左折。やや進んで県道5号で右折。県道5号には潜り滝という案内表示があるので、安心できる。そのまま山形市方面に進むと国道348号にぶつかる。そこを左折。左折してやや進むと左側に潜り滝へ行く細い道が下に下がる形である。見落としがちだが、国道348号に出てから左を注意していれば案内表示もあるのでみつかるはずである。国道を降りるとすれちがいがやっとの細い道になるので注意が必要である。

2005/10/9 赤滝、黒滝、芳澤不動滝、火焔の滝
一昨年、無残に見えない写真を残してしまった赤滝黒滝のリベンジを、と、思ったわけではないが、ただ単に紅葉を見たくて山形まで足を伸ばした。
さすが東北、スカイバレーで最高地点を越えて山形に入ると、山の色が全体に黄色みがかってきていた。
が、今ひとつ紅葉には早かった。
ただ、前回全くお話にならなかった、赤滝、黒滝はしっかり見ることができた。
思っていたよりずっと大きな滝だったことにびっくりした。確か、前回は肉眼でなんとか見えたはずなんだが。
双竜峡と書かれた場所で滝を見ると木々の間からしか望めないが、少し坂を下った橋の上から見ると滝との間に何もなく、よく見ることができる。ただし、カーブなので、自動車には充分に気をつけなくてはならない。
  
ついに見ることができた双龍。思っていたよりもずっと巨大だった。

    
  左:赤滝。右:黒滝。撮影の倍率は違います。黒滝は、上の部分が隠れていて、一部しか見えない。紅葉が進んでいて綺麗だ。
芳澤不動滝も、ちょっと早めながら紅葉していたので、自動車をおりて撮影。
  

  手前のもみじが色づけば、もっと綺麗になるだろう芳澤不動滝。
それから白布温泉まで下り、天元台高原ロープウェイに乗って少し標高の高い場所まで行った。(天元台高原ロープウェイ:大人往復1080円)なんとなく紅葉は進んでいたかも。ロープウェイからさらにリフトを3つ乗り継いで上にも行けるのだが、我々はロープウェイの駅から徒歩で火焔の滝が遠望できる場所に行けるので、そちらに向かった。
  
  
  火焔の滝展望台から見た紅葉。まるで錦のよう。ロープウェイの山頂駅には猿の形を模した岩から「長命清水」が湧いていた。
    
  山頂駅のそばにはリンドウらしき花がたくさん。もう終わりがけでドライフラワーのよう。山麓駅の近くには猿もいた。
    
  火焔の滝。ひのほえと読む。落差25メートル。近くに温泉があって間近に見られるらしいが、我々は上からの遠望だ。
さすがにかなりの遠望だったが、紅葉の初めの火焔滝を見ることができた。
帰りにはロープウェイ乗り場の近くにある森の館という交流センターの掛け流しのお風呂に入って一日を締めくくった。  温泉のレポはこちらから。

リンク: 天元台高原HP


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