滑川大滝
 2003年11月の山形 西吾妻スカイバレーの滝へ 




滑川大滝
滝自体が削ったのであろう
茶色のなめらかな岩盤を優美に
流れ落ちている。
滝見スペースからは確かに遠望に
なるのだが、そのほうが滝の
大きさがよくわかる。
山の重量に負けない巨大な滝である。




滝見スペースから見える風景。
中央の谷の頂上付近から
布滝が落ちている。
秋の午前11時過ぎの光の当たり方です。




中央部分。
何条にも別れ、色々な窪みに溜まり、
また流れていく。




下部分。
なかなか複雑な流れ。
惜しいことに滝見スペースからは
滝つぼは見えない。
また、この下の部分も滝見スペースの
奥の鉄塔の下まで行かないと
見えづらいので、
夏場で藪が密生していても
がんばって行ってみよう。

2003/11/2 滑川大滝     山形県米沢市  (落差100メートル)
実は滑川大滝には2000年の10月にも訪れている。しかし、曇天であり、山の上の滝見台まで行ってはみたもののあたり一面が霧。滝の音らしい水音はすぐ近くに聞こえるが滝などは全く見えなかった。
それ以来滑川大滝はリベンジしなければならない東北の滝になっていた。
山形県米沢市といっても、福島経由で行けば新潟から遠いことは無いこの滝がいつまでもリベンジされずに取り残されていたのには理由がある。
滝に行くまでの自動車の道のりがとんでもなく困難なのだ。
色々な滝を巡ってきた我々でも、あの道だけは行きたくないなぁ、という道が何箇所かあって、この滑川大滝の道もイヤな道のベスト5に入る道だった。しかし、だからといって、残しておくわけにもいかないし、何より霧の彼方にあった滝がどんなものか見てみたい。
今回はネットで知り合った山形の方のオススメの滝に行くという理由もあって、ついにこの滝を訪ねることにした。
前回は東北自動車道の福島飯坂ICから国道13号を利用して板谷のあたりから山に入った。今回は米沢市がわから奥羽本線沿いに進む米沢街道という名前のついた県道232号を利用することにした。
これが失敗だった。
なんとなく地図に書いてある道の幅が狭いなぁと思っていたのである。しかし、実際の道の幅も極狭だった。減速しておもいっきり端に寄せないと自動車同士がすれ違えないくらいの道である。しかも、途中から峠になって、完全に林道と言っても過言ではない道になってしまった。
しかし、隣のどこか見えないところを走っているはずの奥羽本線は、山形新幹線が通ったりする道なのである。文明のすぐそばの道がものすごい山道とは、なんだかわけがわからなくなってくる。
途中の山々はちょうど美しく紅葉していたが、なにせ道が細い。脇にとめて撮影する場所なんかひとつもない。仕方がないので、心のアルバムにその風景を収めるだけで我慢することにした。
県道232号からはずれて滑川温泉や姥湯温泉方面に行く道がまたとんでもない。普通、林道と言えどもたいていはすれ違いのための退避スペースが数百メートルおきに設けられているものである。が、この道に限ってはその配慮は全くない。すれ違う自動車同士がなんとかギリギリのスペースを見つけてバックしあってすれ違うしか方法がないのである。しかも、片方は崖。
だというのに、自動車が多い。秘湯ブームはいっこうに衰えていないらしい。次から次へ、おいおいこんなところを走っちゃいけないな、というカンジの高級車までやって来る。
我々は温泉が目的ではないので、温泉宿の駐車場には駐車しない。温泉目的ではない者の無断駐車は3万円の罰金を課すとあるので、滝への入り口の温泉宿には駐車しないで、そのやや手前の橋の近くにある3台ほどとめられるスペースに自動車をおいた。
ここに自動車をおいて気がついたのだが、滑川温泉の前に流れる川は、なかなか美しい。橋の上流右側からも5メートルクラスのナメ滝が流れ込んでいるし、橋の下流には本流がそのまま落ちる7メートルほどの滝になっている。紅葉のはっぱも美しく色づいていた。

 
橋の下流の滝。橋からは見えないので、川沿いの道を下って撮影。

 
駐車した場所にあったもみじ。
徒歩で温泉脇の幅広の滝を見ながら吊り橋へ。吊り橋を渡ると登りになる。最初はややきつい登りが少しだけ続くがあとは延々となだらかに登る直線の道だ。ときどき折り返しながら、ただただ直線的に登って行く。
ゆっくり登って約20分で滝見スペースに到着する。

 
滑川温泉。本流がそのまま滝になっている。

 
温泉裏の吊り橋を渡っていく。

 登山道の木々の景色は、すでに冬の様相。
滝見スペースとはいえ、山の片隅のほんのちょっとひらけたスペースというだけで、別に柵もベンチもない。そこから、向こう側の山の中腹から落ちる滑川大滝が見下ろせる。
あれが滑川大滝か。
前回音だけしか聞くことができなかった滝は意外と近くにあった。霧で見えなくなるくらいだから、もっと距離があるものと思っていたが、本当に山のすぐ反対側といったカンジだ。
この先の予定がなく、お昼ごはんを持参していたら山を反対側に下って沢までおりて、滝つぼまで行ったのであろうが、今回は滝つぼまでは行かなかった。変わりに滝見スペースからちょっと奥に入った鉄塔の下まで行って、持参したガスバーナーでお湯をわかしてコーヒーを入れた。滝の水というわけにはいかなかったが、百選の滝を見下ろしながら、入れたてのコーヒーを飲むのはなかな気分がよかった。

 
ワンタッチドリップコーヒーだったが、美味しかったです。
滑川大滝の右側上方からは布滝という沢状の滝が落ちている。この日は水量が少なかったため、本当に滝というよりは沢にしか見えなかったが、水量の多い時のツーショットは見事なんだろうなぁと思わせられた。
交通
我々は米沢市方面から県道232号を利用して行ったが、これは絶対にオススメできない。比較的楽なんじゃないかと思われるのは、東北道福島飯坂ICから国道13号で米沢方面へ向かい、東栗子トンネルを抜けてすぐに県道232号に入る方法だろう。あとは滑川温泉や姥湯温泉という道路の案内を見て行けば迷わずに行ける。ただし、道は細いので充分に注意が必要である。
さらに滑川温泉に入るつもりのない場合は温泉の駐車場にはとめられない。少し手前、姥湯温泉へ曲がる道の手前あたりに3台ほど止められるスペースがあるのでそこに駐車するのがいいだろう。
都合が悪くなければ、温泉に入浴してしまったほうが秘湯気分が味わえていいかもしれない。事前にあとから入浴すると告げておけば咎められはしないだろう。
リンク 米沢市


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