![]() 安倍の大滝 とにかく、すっくと立った姿が美しい。 また、厳しい冬にもかかわらず、 水の流れがやわらかく見える。 落差と水量のわりには、 女性的に見える滝である。 ![]() 大きさ比較。 ダンナは滝見台のいちばん端に 立っています。 滝見台から滝つぼまでは 30メートルほどあるかもしれない。 滝つぼよりやや高い位置にある。 ![]() 落ち口。 氷が周りを固める。 水は、ややジャンプしながら飛び出す。 ![]() 氷のフリル。 ![]() サカサ川は美しい渓流だ。 たくさんの小滝があった。 ![]() 三段の滝 どうせたいしたことはない滝だと思って いたのだが、行ってみてびっくり 見た目が印象のいい滝だった。 段のバランスが実にいい。 ![]() 大きさ比較。 斜めに写してしまったように 見えるだろうが、ちゃんと垂直なのよ、 上の写真も。 滝を見るスペースと滝の間に 安倍川本流が流れている。 ![]() 湯滝 低い日光が強くて 上手く写せませんでした。 すぐ脇に温泉神社があり、その下に 大昔の露天風呂の跡があると 書いてあったが、扉が閉ざされていた。 ![]() 神社のすぐ下にあった足湯。 足湯らしいがぬるい上に どろどろと湯の華が溜まっていて、 きたならしい感じがした。
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2003/12/28 安倍の大滝 静岡県静岡市 (落差90メートル) 梅ケ島は遠く 意外と早く静岡市に着くことはできた。しかし、まだ午後5時前。晩御飯には少し早すぎる時間である。宿は素泊まりの予約なので、どこかで食事しなくてはならないが、まあ、梅ケ島温泉に着くまでにはどこか食べる所くらいあるだろう。 冬の夕方はあっという間に夜になる。安倍川の土手を走っているあたりで真っ暗になってきた。しかも、ずっと隣に川を見るたけで、家らしい家のない道である。少々焦ったあたりで、小さな商店街に出た。ここで空腹を満たしておかないと喰いっぱぐれる。「ファミリーレストラン」と看板に書いてある大衆食堂に入ってそこそこの手料理風の夕食をとり、あとは今晩の宿を目指すだけである。 楽勝、と思っていた。なんせ、安倍川が隣に流れている。梅ケ島温泉は安倍川のほとりである。すぐに温泉に浸かれて、すぐに寝てしまえるだろう。甘かった。梅ケ島温泉は安倍川のほぼ源流にあった。延々と川の脇を走り、しまいに道も細くなり、これは県道ではなくて林道というんじゃないか、という道になってしまった。が、とても親切なことに道の端々にこここそ県道29号ですよ、と、看板が立っている。真っ暗な中、それだけが頼りみたいなものだ。ただ梅ケ島温泉は県道の唯一の目的地らしくて、必ず道案内があった。ようするに、真っ暗でも、初めてでも、迷うことなく行くことができる場所なのである。ただし、時々すれ違いが困難な場所もあるので、それには気をつけないといけない。 宿では素泊まりだというのに、別にイヤな顔もせずに迎えていただき、実にいいお湯を味わうことができた。宿のレポートはここへ。 吊り橋あります 翌朝、宿の人に滝への吊り橋が凍っているかもしれないので気をつけてと見送られて安倍の大滝へ向かう。 安倍の大滝への遊歩道の入り口は梅ケ島温泉から1キロほど下った場所にある。民宿の『湯の華』や旅館『よしとみ荘』などがあるバス停の「大滝入り口」という場所になる。 道沿いにある看板から下りると赤い支柱のある立派な吊り橋があり、それで安倍川を渡る。この吊り橋は実に立派なものなので、渡るのもそんなに怖くない。そこから先が遊歩道になり、まず階段でしばらく下ったあと、15分ほど急激に高度をかせぐ登りになる。もういいかげんイヤになったところで道はなだらかになり、安倍の大滝が落ちるサカサ沢を左右に渡りながらのんびり歩くことになる。 ![]() ![]() 最初の安倍川を渡る吊り橋。吊り橋って、こういう形をしているもんだろう? ![]() ![]() が、この『渡る』という作業がね、ちょっと待てと足が止まるのである。吊り橋なのだ。たぶん、吊り橋と言うのだろう。しかし、我々が吊り橋をイメージする時にすぐに頭に浮かべる支柱がない。もちろん支柱から逆アーチ状に張られたロープもない。ようするに縄梯子を川に渡した上に板を張っただけだろう、これは、という代物なのだ。一応手すりはあるので、渡れるが、それがなかったらとてもイヤだ。 おまけに最後のひとつなんか、途中の板が割れていた。これを踏み外したら落ちるだろうという状態だった。宿の人の言ったとおり吊り橋の両側は凍っていたが、吊り橋自体は水分がないので氷はついていなかった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 3つほどそういう橋を渡り、小滝や枝滝のたくさんあるサカサ川を堪能しつつ歩いていくと、遠くに安倍の大滝が見えた。このスポットは、夏場であれば木々の葉っぱで滝の存在はわからないだろう場所だ。裸木の向こうにのぞく滝は大きさを主張していて、少しでも早く滝前に行きたくなる。 とうとうと滝は落ちる 岩盤をぐるりと回るように歩いて行くと、滝見台ごしにとうとうと落ちる安倍の大滝が目に飛び込んで来た。 でかい。高い。美しい。 両側に氷のフリルをまとって、いつもの美しさにさらにお化粧したカンジである。 滝見台から下には降りられないし、足場もないので、滝つぼには近づけないが、水しぶきが風に乗って飛んで来る。 なんというか、姿形が見ていて素直な気分にさせられる滝である。 恒例の滝見コーヒーを飲むにはちょうどいいあずまやと椅子などがあり、さっそく火をたく。遊歩道を歩いて少し汗ばんだが、滝の冷気でだんだん冷えてきた。いやぁ、いいなぁ、百選の滝のまん前でいれたてのコーヒーだ。水は先週の小国町の水だけど。 だれもいない滝の前。ゆっくりとコーヒーを飲んであたりに香りをふりまいた。 ![]() ![]() ![]() 百名滝とのツーショット記念なので、コーヒーも2カット(笑) さて、行きも帰りも滝前もついにだれにも会わなかった。宿の人にも言われたが、この季節に行く人は少ないらしい。冬には積雪もあるらしいので、年末に行くことができて、ラッキーだった。宿の人が滝が凍っていただろう、ときいたので、イヤ凍っていなかった、脇に氷があったと言ったら、それが凍っているということらしかった。滝好きには凍った滝というのは、氷瀑のことです、ハイ。あの水量では、安倍の大滝は絶対に氷瀑にはならないだろう。 温泉街に滝2つ ところで、この梅ケ島温泉には歩いて行ける滝が2つある。一つは温泉のどんづまりにそびえる砂防ダムの向こうにある『三段の滝』もう一つは温泉街と川を挟んで反対にある温泉神社の『湯滝』 三段の滝は安倍の大滝まで行く元気の無い人が滝を見たという満足感を得るには充分の見た目の美しい段瀑である。一方の湯滝はお湯ではないが、もしかして、ちゃんと見る場所があれば三段の滝より立派なんじゃないかという段瀑なのだが、惜しいことに源泉を汲むための配管などがあちこちを横切っていて、景観を台無しにしている。遠くからも見るポイントがない。ついでに言うとお湯でもない(笑) 宿の人に今年は新潟から来た人は2組でしたと言われつつ宿を後にして、安倍川を下ることにした。 2003年滝納めその3 安倍川周辺の滝 へつづく。 |
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交通 東名高速道路静岡ICをおり、国道1号線に向かう。静岡市街を突っ切って、静岡駅のまん前の道の県道27号線に出るのが一番わかりやすいコースだろう。しかし、市街なので混雑するのは必至である。迂回して静清バイパスに入り昭府ICで降りる方法を我々は選んだが、そちらもしっかり混雑していた。 県道27号線に出たらあとはひたすら安倍川をさかのぼる形で進めばよい。 ちなみに27号とは対岸にある県道29号を進んでも途中で合流する。 合流したあと、もう一度27号安倍街道と29号梅が島街道に別れるが今度は必ず29号のほうに進むこと。案内に梅ケ島温泉と書いてある方向にすすめば間違いない。道の端や橋のたもとなどにしっかりと県道の番号表示がしてあるので、不安であれば確認するといい。 道は安倍川を右に左に渡りながら進む。曲がりくねったりすれ違いが困難な場所もあるがすべて舗装されている。 県道29号のどんづまりが梅ケ島温泉なのだが、梅ケ島温泉の1キロほど手前に大滝入り口というバス停があり、そこから遊歩道に降りられる。自動車では、民宿『湯の華』の看板がいちばん目立つ。 梅ケ島温泉に宿泊するなら宿に自動車をおけるが、そうでない場合は滝専用の駐車場はない。 民宿『湯の華』旅館『よしとみ荘』の駐車場に宿の人に声をかけておかせてもらうことができる。ただし、有料らしいが、300円程度なので、細い道に路駐することなど絶対にしないで利用させてもらおう。 なおその300円が惜しい場合は梅ケ島温泉の一番奥に温泉の共同駐車場がある。ここなら誰の文句もないだろうが、遊歩道の入り口までは15分ほど歩くことになる。 『三段の滝』は、この駐車場から砂防ダムをこえて少し砂利道を歩いた場所にある。 『湯滝』は温泉街から対岸に見える温泉神社のすぐ脇である。 『安倍の大滝』は、吊り橋を渡って遊歩道に入り、我々が写真を撮影しつつ進んで35分で到着した。最初の15分ののぼりさえ過ぎれば楽なのだが、ときおり落石で道がふさがっている箇所などがあったので、充分な装備をして行ったほうがいいと思う。 |