3日目(8月13日月曜日)
故宮・天壇公園

 またしても8時集合。この日はお昼が少し遅くなるというので、たっぷりと朝食を食す。おいしかったんだ、カリカリベーコン。
 昨日より少し大きめのバスで他のホテルの人も合流して天安門広場へ出発。天安門広場は、どうしたのこれ、いったい、というくらい、人人人で溢れていた。しかも、みんな並んでいる。かなり長い列が続いている。ディズニーランドのアトラクションの3時間待ちなんてもんじゃない。
 何かと思えば、この日は午前中だけ保存されている毛沢東の遺体が見られるから、それを見るための人の列だとのこと。幸い我々はその列には並ばないらしい。中国共産党員じゃないから、死体を見るために炎天下並びたくない。
 そこを通り過ぎて、初めて、TVなどでよく見る天安門広場が姿をあらわす。広い。例の毛沢東の肖像画がはるか彼方に霞んで見える。沢山人がいるのにあまりに広すぎて、そんなにいるように見えない。ちょっとだけ写真を撮る時間をくれたが、すぐに広場から続いている故宮に向かう。
 故宮。ラストエンペラーとか、NHKスペシャルの故宮等を見て憧れてはいたけど、こんなに広いとは思わなかったですぅ。赤い柱。黄色い甍の波。広場。どれもこれもとても美しいのだが、広いんです。いったいいくつ門をくぐっていくつ広場を横切ったのかわからない。門をくぐるたびにさっき見たのと同じような風景が広がっているわけだ。まるでループ迷路にハマっみたい。
 途中宝物殿に入る時に靴の上からカバーの役割をするサンダルみたいなのを履かせられるのが面白かった。しかし、宝物は98パーセント蒋介石が台湾に持って行ってしまったとかで、ものすごく重い純金の王冠とかしかなかった。象牙で織った布というめずらしいものもあった。象牙を薬品で柔らかくして、糸にして織ったそうだ。そういうのができる権力が皇帝にはあったというわけ。
 最後にまた団体集合場所と称してお茶を出してくれるお土産屋に案内された。故宮の中にあるんだ、これが。このお茶もあつい。ダンナがねをあげて、どこからかスプライトを買ってくる。
 故宮でも集合写真を撮って、この日のうちに手渡された。やはり故宮の案内写真もついてアルバムになっている。100元。こっちの日本語はさすがにきちんとしてました。
 すぐそばにある天壇公園にバスで移動。これも世界遺産の祈願塔という円錐形の塔を見学。青い瓦がとても印象的な奇麗な塔でした。
ここで地元の子供が食べているダンゴみたいに見えるアイスキャンディーがとてもうらやましく思えるが、どこで売っているのかわからない。それにガイドさんはそういう店に入っちゃだめみたいに言う。いいじゃん、アイスキャンディーくらい。
 北京市内のホテルのレストランで昼食。旅行案内では飲茶になっていたけど、少し点心があったくらいでやっぱり油炒め中心の中華料理でした。醤油がどこを探してもなかったのが残念。持参すりゃよかった?餃子や焼売には醤油がないとねー。
 午後、西安に向かうために北京空港へ。北京空港の国内線は、まるでJRのターミナル駅のように混雑していた。西安へはガイドの梁さんも一緒に行ってくれるので安心。
 また中華西北航空なのでちょっとイヤな予感はしたが、天井は落ちていませんでした。しかし、夕刻便なので、機内食が出た。サンドイッチとケーキとサラダと!わざわざ定陵の露店で買ったのに、こんなところで出てくるとは、桃。やっぱり固かったです。バッグにしのばせて、夜、ホテルで食べました。
 ちょうど夕日が沈むころ西安に到着。新潟空港より小さいよな、西安空港。ここで西安ツアーのあるJTBの観光客が一同に集まる。人と荷物を2台のバスと1台の宅配トラックに振り分けるためにかなり時間を要する。4つか5つのホテルに別れるため、荷物の間違いがあったら困るらしい。ここで梁さんとはお別れ。我々には倪(にい)さんという女性のガイドさんがつく。美人で若いがベテランらしい。
 空港から市内までは高速道路で1時間くらい。途中遠くにたくさんの鉄塔と大きな炉のようなものがあるのが見える。刈羽の原子力発電所を見慣れている新潟県人にとっては、即原発だと答えるような光景だが、実は火力発電所。西安は安定した電力があるらしい。
 窓の外は一面のトウモロコシ畑。時々ヤギをつれた農民がゆっくり歩いていたりする。ものすごくのどかな風景だ。
 市内が近づくにつれ、暗くなったにもかかわらず、歩く人が多く出てくる。夕涼みに出ているのだとガイドさん。だが、市内に入ると、その人の数が冗談じゃないほど多くなってくる。夕涼みというには多すぎないか。でも、夕涼みなんだそうだ。 西安市は城壁で囲まれている。長安城の城壁だ。その内側が繁華街。城壁はりんかくを電球で縁取られて、闇に点線の絵のように浮かんでいた。
 このあたりで自動車の量も半端じゃなくなる。人と自転車、力車、自動車、もうごちゃごちゃ。自転車に大量の荷物を乗せた人、自動車を道の脇にとめて、レンガを売っている人。自動車を縫って道路を横断する人、人、人。
 城壁の内側は、イルミネーションで溢れている。もう午後9時ころになっていたはずだが、商店も開いている。圧倒的な数の食堂。狭い路地にアセチレンランプのオレンジの光が溢れていれば、市場。そこも人、人、人。で、大渋滞。夕食をとるために市内のホテルに着いたのは、10時くらいになってから。そこで西安の田舎料理らしい、あっさり塩味の中華料理が出る。これ、もしかしたら、この旅行中に一番美味しかったかもしれない。塩味がちょうどいいんだ。たまごチャーハン、おかわり自由。もう店じまいの時間らしく、従業員がいきなりまかない飯を持ってテーブルでごはんを食べ出したりする。美味しく夕食を食べていると、なんとお土産の販売嬢がやって来て、紹興酒や、それに入れる甘い梅干し、お酒を燗する道具などを売りはじめる。けっこう買っている人がいるのにはびっくり。
 また渋滞にはまりながら、ホテルをまわり、我々のホテルは最後から2番目。見るなり、これはお寺?と思うほど重厚な佇まいのホテルだった。すでに11時をとうに回り、即就寝。



暗くて、分かりづらいだろうけど、長安城城壁のライトアップ。


天安門広場。人がいっぱい。

こんな清掃車で掃除してました。
フロント部分に回転式のブラシがある。

故宮、最初の広場。ひ、広い。

一枚岩のレリーフ。頂上の豆粒が人間。

オレンジ色がはきものカバー。

宝物殿だと思う。

宝物殿の奥。

天壇公園内の回廊。

天壇公園、祈願塔。屋根はブルーの瓦。

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