平湯大滝、冬




平湯大滝
昼間の平湯大滝。
氷が水色に見える。
本当に水色。






ほぼ同じ位置からの
昼間と夜の写真。
夜の写真が斜めなのは許してね。
夜は、この写真が一番見た目の
色に近いです。
コントラスト調整しました。







これも大体同じ位置の昼と夜。
夜の写真では水の流れか
氷なのかよく分からない。





昼間の滝つぼ。
雪の塊に水か吸い込まれて行く。





私としては、これがベストショットと思う。
思いっきり引いて撮影。
実は上の方に山の端があり、
その上に星が一つ光っていた。
シャッタースピード8秒では
星はとらえられなかった。



2004/2/21 
平湯大滝が厳冬期には氷瀑になるというのは知っていた。それをライトアップするということもかなり以前から知っていた。
滝好きたちの一部からはわざわざ自然の産物をライトアップするのはいかがなものか、という意見もある氷瀑ライトアップ。しかし、私は建物でもなんでもライトアップされるのが好きである。氷瀑がライトアップされるなんて、見に行かないでどうしよう。
行きたい行きたいと騒ぎつつ3年がたってしまった。が、今年の1月についに行けそうな日が出てきた。ところが1月の土日ではライトアップの時期ではない。平湯大滝のある奥飛騨は国立公園であるため決められた日にしかライトアップできない。それは2月の15日から25日である、という回答を担当者から得た。
国の許可がなければ仕方ない。その日に行くしかない。幸い今年はその期間の内に土日の連休がある。その日に行こう。
前々から行くと決めていたわりには、あまり事前の下調べもしないで、午前11時半頃出発した。(その日は午前中は用事があったのだ)まあ、ライトアップが目的だから、到着は遅くてもかまわない。
我が家から平湯に行くには上信越道を利用して松本ICで降り、国道158号線で安房トンネルを通って行くルートと北陸自動車道を利用して富山ICで降り、国道41号と471号を通る2つの方法があるが、今回は高速道路の使いやすさで後者の方法を取った。結果的に正解だったらしく、何のストレスもなく4時間ほどで平湯に到着できた。
途中に立ち寄った道の駅『奥飛騨温泉郷上宝』で何か情報を入手できないかと思ったが、ほとんど情報らしい情報のない道の駅だった。しかし、奥飛騨温泉郷のポスターに平湯大滝のライトアップに並んで2つの氷瀑の写真があった。タルマの滝と福地温泉の青たるとある。これは見に行かなくちゃ。
しかし、道の駅にはその2つの場所が全く記されていなかった。幸い福地温泉は地図に載っていたので、それを目指すことにする。
と、途中、新平湯温泉でかねこおりライトアップの看板を発見した。あれ、福地温泉じゃなくて、新平湯温泉だったのかしらん。とにかく自動車を看板の矢印に向けてそのかねこおりの場所に行った。
行ってみたら、それが『たるまの滝』だった。おお、行く途中にあったのね。ラッキーだったじゃないの。
たるまの滝は思っていた以上に見事に凍っていて、青い。親水公園になっていて、下流の堰堤の下を通って近くに寄れるようだが、冬の間はなだれの恐れがあるので、下の道は途中で行けなくなっていた。
この道の窓から堰堤を落ちる水のカーテンを見ることができる。なかなか迫力でした。なぜしかし、通れない道を途中まで通しているのか、この答えは夜に知ることができた。
  
 
たるまの滝。しかし、正確には清水というのが正解らしい。凍らないときはどんな姿なのか分からない。岩盤から染み出る水は飛騨で一番の清水で、水もしたたるいい女「たるま姫」が天皇に献上した水ということだ。が、冬場は近寄れず、手前に流れる川を挟んで見ることになる。
    
  
親水公園になっていて、水車小屋などがあった。キャンプもできるらしい。
  
  
ライトアップされたたるまの滝。緑と青、白のライトで立体感を出している。見ていて分かったのだが、1色のライトだと、かえって氷の立体感がつぶされるらしい。ライトアップも工夫が必要なようだ。
  
  
手前の砂防ダムを入れて撮影。奥の光がたるまの滝。手前のオレンジ色の光は下をくぐって滝前に行ける通路から漏れる光。

では、次は福地温泉に行こう。
福地温泉に入ると風情のある温泉旅館が並んでいる。古い建物が多くて、一度泊まりたいなぁといった感じの町並みだ。
目的の青たるは町の山の一角がだーっと凍ったというだけのもので、どうも滝ではないらしかった。駐車スペースも少ないし、しかも、写真を撮ろうとするとまん前に電信柱やら電線やらが入って、全く形にならない。ほぼ素通りする形になった。
あとで調べたが、青たるというのは、福地地区から山に入った崖にできる清水が凍ったもので、この道路沿いにあるのは、冬場は危険で近寄れないから代わりに人工的に作ったものなのだそうだ。どうりで木々からツララが落ちているわけである。木もかわいそうに。
  

  
  
上が昼間の青たる。木々に水をかけて凍らせたらしい。下が夜のライトアップ。単色のライトで見た目はあまり綺麗ではなかったが、写真にしたら、昼間より綺麗になってしまった。あれれ。
実はこの福地温泉で温泉入浴するつもりだったが、かなわなかった。と、いうか、やめてしまった。後々後悔するのだが、そのお話はこちらにて
いよいよ、自動車は平湯の温泉街に入った。考えてみれば前は雪のない時に来たのだった。ほとんど迷いもせずに平湯大滝に着いたはずである。
が、今回はしっかり温泉街でウロウロしてしまった。なんのことはない、温泉街に入り込まなければ分かりやすい場所に平湯大滝はある。
しかし、この日はスキー日和。スキー場の駐車場は満車で、路上駐車を取り締まるパトカーまで出ていた。仕方なく駐車場の係りの人に「遠くてもいいからとめられる場所はないか」と、聞いたところ、スキー場の先にあるキャンプ場の駐車場が空いていたらとめられるかもしれないと教えてくれた。
幸い、キャンプ場の駐車場にはまだ2,3台のスペースがあり、駐車することができた。
と、その時スキー場からアナウンスが。4時20分にてリフトを止めるとのこと。どうもナイター設備のないスキー場だったらしい。と、いうことはスキー場が終わればスキー場の駐車場が空くというワケかもしれない。
しかし、まあ、それほど遠くもないので、とりあえず、滝に向かって出発した。
スキー場の入り口から先は圧雪状態の坂道をひたすら徒歩で登る。
4時半頃でまだ明るく、ライトアップされる6時までは間があるのにたくさんの人が登って行っている。以前来た時はもっと近くまで自動車で入り込めたと思う。が、冬。積雪のある時では無理というもの。
息をきらせて滝の前まで行ってみると、おおー、三脚の行列。最前列の一番いい場所を日中から確保しているのだろう。立派な装備のカメラマンたちがずらっと並んでいた。
我々はとりあえず昼間の滝を撮影して、また戻る。腹ごしらえをするためである。おいおい、20分かけて戻ってまた20分かけて登ってって、バカみたい?とは思ったが、日没までぼーっと滝前で待つほうが我々に時間のロスなのである。幸い下りは10分かからなかった。いえ、滑って降りたわけではありません、念のため。
降りるとスキー場の入り口で揚げたての飛騨牛コロッケが売っていたので、つい買ってほおばりつつバスターミナルへ向かう。自動車は駐車場が無くなる危険があったので、徒歩である。
  
飛騨牛コロッケ180円。超美味。
5時をまわっていたので、ターミナルの食堂はすでに閉まっていた。仕方なく近くのおそば屋さんで飛騨牛の照り焼き丼を食す。と、いうのもさっき食べた飛騨牛コロッケの牛肉がめちゃくちゃ美味しかったのだ。高かったが、やっぱり飛騨牛を食べなくちゃ。照り焼き丼はちょっとしょっぱめだったが、美味でした。
喰うだけ喰って、またもや滝に戻る。どうも温泉街やターミナルから滝までシャトルバスが出ているようなのだが、詳しい案内がどこにもなかったので、また徒歩で坂を上る。もう、どうにでもなれという気分である。
夜になり、だいぶ圧雪の状態もテカテカになっていると予想されるので、スキー場の入り口で初めて軽アイゼンを装着した。
  
いいかげんな装着ですがはずれませんでした。
夕方の時は降りる時にはすべりそうでかなり怖かったが、今度はアイゼンのおかげでサクサク進める。圧雪はアイゼンが実に便利であることがわかった。
ライトアップの時間になって、いよいよ観光客の数も増えてきた。皆おっかなびっくり坂を上ったり下りたりしている。それをサクサクかわしながら夕方よりずいぶんと楽に滝前に到着した。
滝前は黒山の人だかり。文字通り、よくもまあと思うくらい人が集まっている。手に手に携帯を掲げて撮影しているが、どんなふうに写っているのかなぁ。立派な装備のカメラマンたちは、さっさと撮影して帰ったあとらしかった。
さて、滝のライトアップだが、あれ、と思うくらいライトの色が違った。
私の写真でも青くなってしまっているが、実際に目で見た感じは紫なのだ。青では決してない。紫なもんだから、ライトアップされているというより、色づけされているようにしか見えない。昼間見た時にはきっちり見えた水の流れもライトでのっぺりしてしまって、さっぱりわからなかった。
幻想的といえばそうなのだろうが、私には昼間の氷自体の青さのほうが幻想的に見えた。
なるほど、滝好きがこの平湯大滝のライトアップをあまりよく言わない理由がわかった気がする。見てみないとわからないものなのね。
かと言って、幻滅するほどよくないものではない。ライトアップされていなければ、夜の滝は見ることができない。この日は山の上の空に星々がまたたいていて、星と紫の滝の並んだ姿はなんともいえないものだった。(私のカメラはシャッタースピードが8秒までしかないので、星の姿が写せなかった)
真冬の夜の凍った滝を見る機会を与えてくれるライトアップ。私は賛成である。滝に興味のない人まで雪道を20分登らせるイベントはやっぱりすごいと思う。
帰り道、福地温泉の青たるのライトアップ、新平湯温泉のたるまの滝のライトアップもそれぞれ見て、奥飛騨の氷瀑ライトアップをとりあえず総なめできた。温泉自体には入れなかったが、大満足の1日だった。
来た道をそのまま戻り、家に着いたのは午前0時少し前。ほぼ12時間で平湯まで行って、滝見て、飛騨牛食べて、スーパー銭湯に入って戻って来たわけである。充実しまくりの土曜日でした。
交通
 平湯大滝
我々は富山回りで行ったが、最もポピュラーな安房トンネル利用の方法で説明する。
上信越道松本ICをおりて、国道158号線をひたすら高山方面に向かって走る。
やがて有料の安房トンネルになる。通行料は普通車で750円である。
安房トンネルを出てすぐの信号を左に行くとすぐに平湯スキー場になる。冬場はこの駐車場に駐車して、徒歩で20分で平湯大滝である。
ライトアップ時は多少混雑する。もしスキー場の駐車場がいっぱいだったら、少し先のキャンプ場の駐車場も開放されているので、そちらに向かおう。
また、ライトアップされているとはいえ、スキー場が閉まってしまえば、それほど長い時間滞在する人はいないので、待っていれば駐車できないということはない。
平湯温泉のバスターミナルにも駐車できる。こちらからは期間中シャトルバスが出ているはずなので、問い合わせてみるとよい。
バスターミナルからは歩いても30分かからないでスキー場の入り口まで行ける。
 青たる
正しくは青たるに似せた人工氷。平湯温泉から国道471号で神岡町方面に向かって進む。やや進むと左に曲がると福地温泉と道案内がある。
雪があると少し分かりづらいので注意が必要である。青たるは、温泉街の道沿いにあるので、見落とさない。が、駐車スペースが2台ほどないので、なかなか写真が撮りづらい。
 たるまの滝
正しくはたるま水、奥飛騨樹林帯かねこおりライトアップ。平湯温泉から国道471号で神岡町方面に向かって進む。福地温泉に入る道を過ぎて、さらに進むと左に曲がると新平湯温泉であるという道案内がある。その道沿いに『たるまの湯』と書かれた健康センターがある。そのすぐ脇の道に「かねこおりライトアップ」と書かれた看板があるので、そちらにむかって入って行く。
工事現場のような場所に駐車スペースが3台分くらいある。駐車した場所から圧雪状態の道を3分も歩かずに水車小屋と薪小屋らいしもの。
砂防ダムの下には薪小屋の左がわから行けるが、途中までで対岸には抜けていない。
滝の前に行くには薪小屋の右側の坂を上って砂防ダムの上流の河原に行く。3分もかからずに滝の前に行ける。


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