んがお工房の桜めぐり
2007年南信州の桜めぐり
2007年4月7日(土) 雪が多くて開花の遅れた昨年とは対照的に今年は小雪暖冬で全国的に桜の開花は早まっていた。 いつもの年のとおり、4月が近づくとそわそわしだし、東京都の桜の開花がニュースで報じられると我慢できなくなってくる。 3月も後半になると桜の情報があちこちから聞こえ始め、まだ蕾さえできていない新潟の桜を尻目に、どこに行くか考えはじめた。今年は幸いにも4月の土日の連休が多い。第一周目は町内の行事のため身動きとれないが、二週目なら遠出できる。このときに咲いている桜はどこだ? 南信州の桜なら比較的早目の開花が期待できた。 飯田市は、樹齢300年以上の古木がたくさんある、知る人ぞ知る桜の名所である。インターネットで調べてみたところ、うまい具合に4月7日に着くらの満開が合いそうだった。よし、飯田に行こう。 しかし、新潟から南信州はかなりの距離がある。通勤割引を利用してもかなりの額の高速代になってしまう。それならば、深夜割引でどうだ?計算した結果、深夜割引なら5000円未満の高速代で飯田に着けることがわかった。 そんなこんなで、4月7日は午前3時前に起床、午前4時には高速道路上にいた。 南信州さくら情報「さくらさく」 |
清秀桜 樹齢約750年のエドヒガンザクラ。 木の中はほとんど腐食してしまっているが、 内皮が生き残っているので花を 咲かせているのだという。 地蔵寺の清秀法印が1240年に 植えたと伝えられている。 たしかに幹はごつごつしていて、 750年の歳月を感じさせる。 朝の光の中だったせいか、 そんなにお年寄りとは思えない 鮮やかなピンクの花だった。 |
明け方から早朝の高速道路を飛ばすこと3時間。飯田インターチェンジに着いた。実は予定よりもかなり早く着いてしまったので、この先の園原ICのそばにある桜を見てしまおうかと思ったのだが、なんと飯田市がわからは園原ICは利用できない。名古屋方面からのみ乗り降りできるインターである。 ということは、飯田で下りる以外になく、それなら混雑しそうな市街の桜を早朝のうちに見てまわってしまうことにした。 当初、8時過ぎに到着予定だったので、市街の真ん中あたりの駐車場に自動車を入れて、徒歩で市内の桜を見るつもりだったが、こんなに早いのなら桜のすぐそばまで自動車で行っても大丈夫だろう。 まずは、インターから一番近い桜、愛宕神社の清秀桜を見に行くことにした。 この桜に一番近いだろう市営駐車場は動物園そばの駐車場なのでそこに入れて、愛宕神社を目指す。 この駐車場から愛宕神社は市役所の前の道を通って行けばすぐなのだが、駐車場から下に見える「四季の広場」の桜がとても綺麗に咲いていた。 坂道を下りてもう一度神社に向かって登る必要があるが、早朝の公園を歩いてみた。 四季の広場。 ちょうど谷間のようになっている公園の縁を桜が縁取っているようなとても綺麗な公園である。散歩気分で下って、奥にある石段を登って行くと愛宕神社の裏手に出た。 裏に出たもんだから、清秀桜がわからなかった。 最初にまず目に飛び込んで来たのが神社の正面にある巨大な桜の木である。桜でこんなに大きいものはあまり見たことがない。おそらくエドヒガンなのだろうが、これは清秀桜ではないとなんとなくわかった。 比較するものが無いが巨大な桜。 清秀桜は神社の左手にあった。 ちなみに、市役所がわの道から神社に入るとすぐに目につくのが清秀桜だと思う。 小ぢんまりとした桜の木だが、節くれだった木の幹がさすがに樹齢700年の風格をかんじさせる。 早朝にもかかわらず、何人かのカメラマンがこの桜を撮影しにやってきていた。 ところで、早朝であれば、愛宕神社の敷地内までずんずんと自動車で入って来れてしまうこともわかった。 |
動物園横の駐車場は1時間までなら無料なので、戻っても駐車料金は必要なかった。そこから少しだけ自動車で走ると美術博物館にある安富桜がある。 ところが、地図上の距離と実際の距離感が高低差という要素が加わってよくわからなくなってしまった。 つまり、愛宕神社は高い場所にあり、美術博物館も高い場所にある。が、その間には谷があって、そこに至るまでには一度坂を下りてからもう一度登る必要がある。そのあたりがよくわからずにかなり先まで進んでしまってから、行き過ぎたと気づいて戻った。 どこをどう通ったのか、とりあえず、国道153号に出たら美術博物館の案内が出ていたので、それに従い坂を登る。 |
美博の安富桜 定番のこのアングルは、 美博の屋上の1角でのみ撮影可能。 あまり大きく見えないだろうが、 よく見ると、家の屋根が小さく見える。 とにかく大迫力の桜である。 安富というのは、飯田藩の代々の家老の名まえで、 美博の辺りがその住居だったため。 樹齢450年以上。 見上げると、空いっぱいに 安富桜の花が広がる。 上手く撮影できなかったが、 美博のガラスの中にも安富桜。 桜丸御殿跡の 彼岸桜 樹齢400年。 手前の花が枝垂れていて、奥の花が 全く枝垂れていないのが分かるだろうか。 一見1本の桜が咲き分けているように見える。 こちらの桜も幹の内部は腐食しているらしく、 皮一枚でつながっているような枝もあった。 しかし、その枝の先でも花は咲いていた。 |
通常であればまだ開館していない時間なので駐車場も開いていないと思われるが、桜の季節のためか美術博物館前の駐車場は開放されていた。 塀の白と瓦の黒と桜のピンクがよく合う。 漆喰の塀が綺麗な博物館で、桜の木も多かったが、安富桜は一目で分かった。 大きいのだ。愛宕神社の桜も巨大だったが、こちらの安富桜はほぼ満開で、空いっぱいに桜が広がっている感じがする。 とにかく、ものすごい存在感である。 赤丸の中にダンナが立っている。 色々なホームページや写真集でこの桜の姿を見てはいたが、実際に対峙してみないとこれほど圧倒的な大きさのある木だとは分からなかった。 この安富桜を見ただけで、飯田市まで来てよかった、とすでに満足してしまった。 この桜を毎日撮影しているのか、三脚とカメラを持ったおばあちゃんが桜の前に来たので挨拶すると、博物館の建物を見て「こっちも綺麗にしたんだねぇ」と言ってそのまま通り過ぎてしまった。 振り返ると、美術博物館の喫茶室なのか大きなガラス張りのラウンジが見えた。そのガラスにも安富桜が写っていて、大きな木に挟まれている気分になる。 おばあちゃんはどこに行ったのだろう。 そういえば、安富桜の写真は必ず上から見るアングルである。どこかそのアングルで桜を捕らえられる場所があるにちがいない。 おばあちゃんの行った方向に行ってみると、博物館の建物の屋上に出られる階段があった。 普段なら鎖で閉鎖されているらしいが、この季節は鎖の一部が取り払われていた。 屋上に登ってみると、さっきのおばあちゃんがカメラを構えていた。ほんの小さなスペースが桜を捕らえられる場所で、おばあちゃんはあっさりゆずってくれた。 おばあちゃんの話によると、一番綺麗なのは2日ほど前だったそうで、その時はもっと色が綺麗だったのだそうだ。 美術博物館からそう遠くない所にもう一本古い木があるので、自動車をそのままにして歩いてそちらに向かった。 赤門。門の向こうはビル。 市の史跡である赤門をくぐり、合同庁舎の建物の前を通って行くと、桜丸御殿跡の彼岸桜があった。 たくさんの支柱に支えられた、いかにも老木である。 赤門がわから見ると、V字になっている木なのだが、近づくとおかしな事に気がついた。左半分の花は枝垂れているのに、右半分は枝垂れていないのである。1本の木でそんなことがあるのかしらん、と思ってよくよく説明を読んでみると、エドヒガンとシダレサクラが根元で合体してしまっているらしい。 一体化している部分。 それにしても、幹のでこぼこはものすごい。一部空洞化していて、向こう側が見えてしまう。枝の一部などは皮だけでつながっているんじゃないか、という状態である。それでもきちんと花を咲かせている姿は健気でさえあった。 |
美術博物館前の駐車場を出て、今度は市内の中心部に向かった。 中心部には3つのお寺にそれぞれ立派な枝垂桜があるというのだ。 お寺同士の距離はそれほど無いので、一番近い中央広場の市営駐車場に自動車を入れて歩いて回ることにした。 |
専照寺のしだれ桜 樹齢350年のエドヒガン。 小さいがまとまった形をしている。 しかも、仏様が下でお花見している。 横に回ってみた。 ちょっと無粋なことに、 仏様のすぐ上に街路灯がある。 それを隠して撮影。 門から見た桜。 実は強烈な逆光で、この門の上にある 鐘楼まで入れることができなかった。 ぜひ、その目で見てみてください。 黒々とした幹に枝垂れる花々が美しい。 黄梅院のしだれ桜 樹齢350年のシダレザクラ。 この南信州のさくらめぐりで 麻績の舞台桜と並んで美しさナンバーワンだった。 ピンクが濃いので、見上げる形になると 青空によく映える。 開花状況としては最高の時だったのでは ないだろうか。 正永寺のしだれ桜 腰の曲がったおばあちゃんに見える桜。 樹齢350年のシダレサクラ。 この桜は他の2本より早く咲いてしまうらしい。 しかし、咲き残った花々は 綺麗なピンク色をしていた。 満開だったら、おばあちゃんとは 言わせないかも。 |
まだ午前8時を少しまわったくらいの時間なので、商店街は目覚めていなかった。アーケードになっている歩道をのんびりと歩いて行く。 飯田市の桜のホームページはとてもよく作ってあるので、きっと3つのお寺の場所も現地でもしっかり案内があるだろう、と思っていたが、全くなかった。もうそろそろなんだけど、と小路ごとに奥を覗き込んでようやく最初の専照寺を見つけた。 専照寺は一目で分かった。 立派な鐘楼のついた門の向こう側に枝垂桜のピンクがまるで額縁に縁取られているように見事に浮き出ていたのだ。 この門とあの桜は対になってこそのものだ。 そのあと、よくよく桜を見たら、あらまあ、桜の下に仏様が鎮座してらっしゃる。 この形よく整った枝垂桜の下に仏様を座らせたセンスは、いい意味でも悪い意味でも抜群である。 桜の傘をさした仏様はなんともユーモラスで幸せそうだ。きっと四季おりおりで傘の模様が替わるのだ。なんだか、羨ましくもある。 専照寺の枝垂桜は門と仏様がなくては成り立ちはしないのだろうなぁ。 専照寺にはけっこう広い駐車場があったので、ここまで自動車で来てもよかったもしれないが、広い道からの案内が全く無いので、自動車では見つけづらいかもしれない。 続いては、順番としては、正永寺なので、ちょっと戻って飯田裁判所前の道を歩いた。ぽかぽかととても暖かい。散歩にはちょうどいい気温だ。 が、正永寺がなかなかみつからない。このあたりのはずなんだが、と地図を見つつあたりを見回すと、道からはずれた小路の向こう側にお寺さんらしい塀と木立が見えた。 あら、ということはもしかしたら正永寺は小さな道に曲がったあたりに入り口があるのかしらん。 慌てて小路に入ってその塀の方向に歩いた。 歩いたが、入り口は無かった。おかしい、塀はどこに行った? 家並みの向こう側に木立が見える。 幸い人が通れるくらいのごく細い道があったのでそこに入り込んだ。 どうもお寺さんくさい塀の脇を通るのだが、どうがんばっても入り口が無い。完全に方向を誤っている。 このままこのごく細い道が無くなってしまわないのかしらん、と思ったあたりで、やや広い道に出た。仕方がないので最初の道に戻ろうと右折。 右折したとたんに、とても綺麗な枝垂桜の木が見えた。 あったあった、これが正永寺の枝垂桜だ、と最初は思ったが、なんか、位置的におかしい。 桜ばかり見ていたが、すぐ横にあるお寺の看板を見ないでいた。 「黄梅院」 あららららら、正永寺を通り過ぎて3つ目のお寺に来てしまった。 でも、目的地であるので、さっそく桜を愛でる。 お寺の敷地内、というよりは、駐車スペースから桜の木が丸見えになる形で、太陽の光もよく当たって見事なまでに美しい桜である。 ピンク色が濃くて、晴れ上がった朝の空にとても映えていた。 お寺の敷地に入ると、説明看板があり、幹の様子も見てとることができた。 古くえぐれた幹の中に若そうな幹が生えていて、なんとも不思議な感じがした。 では、見落としてしまった正永寺を探そう。 結局裁判所前の道に戻り、歩いて行ったら、慌てて小路に入ったすぐ先に正永寺の入り口があった。もう10歩も歩いていたら入り口だったのに。 広い通りから一目で分かるように桜マークでもつけておいてくれたらいいのにな。 正永寺へのアプローチを歩いていると、もうすっかり散ってしまった桜の木があり、ちょっと不安になった。門を通り過ぎ、さて、桜はどこだ?と境内を見回す。見回さなければならないほど目立たない状態だったわけだ。 すでにしべ桜の木が見える。 桜が目立たない。 目指す正永寺の枝垂桜はほとんど散ってしまっていた。樹齢も品種も黄梅院の枝垂桜とほぼ同じだというのに、なぜこんなに咲く時期が違ってしまっているのか。 ぐるっと回って、順光になる方向から撮影すると、咲き残った桜の花がいくぶんあるが、なんだか腰が曲がった老女が杖をついている姿のように見えた。満開であればふんわりと綺麗な枝垂れになるだろうに、ちょっと残念だった。 |
飯田市内の桜はあらかた見終わった。 飯田市のHPには上の6本のほかにもう一本、阿弥陀寺の枝垂桜というのが紹介されているが、少し市街からはずれているので今回はパス。 新しく飯田にできた川本喜八郎人形美術館には大いに心が動かされたが、開館までにまだ時間があったので行くのを諦めた。 次は、この桜めぐりのメインと考えていた桜の木「駒つなぎの桜」に向かった。 地図上では中央自動車道の飯田ICのお隣の園原ICのすぐそばなのだが、飯田市がわからそのICは利用できないというのは前述したとおり。下道を走り、インター近くで見落としがちな案内をみつけてわき道に入り、おいおい大丈夫かい、と思うくらいに山を登って観光施設らしい「長者屋敷」の前を通りすぎ、それでもまだ駒つなぎの桜が出て来ないので心配になった頃にようやくお目当ての桜は出現した。 |
駒つなぎの桜 わはははは、 どこが桜なんだか。 見事なまでに蕾固い。 田んぼには水も無い。 樹齢800年のエドヒガン。 このこぶの多い幹がその年月を 物語っている。 |
だが、咲いていなかった。 咲いていなかったどころか、蕾もカチンコチンに固かった。 ここまで早いといっそ残念でも何でもなく、むしろさっぱりするくらいだ。 この桜は水田に映る姿が美しいのだが、水田に水さえ引いていなかった。 やはり遠くから見に来たらしいご夫婦が笑いながら、「2週間早いそうですよ」と教えてくれた。 山の春は遅いのだ。 だが、あまりに早すぎて、細くて駐車スペースがせいぜい3台くらいしかない桜の近くでも楽々駐車できたし、桜の季節になったらまずできない、田んぼまでおりて幹をじっくり見るまねまでできてしまった。 写真集ではかならず水田がわからの画像なので、こんなふうになっているとは知らなかったのだが、この桜の向こう側は崖である。 かなり下のほうに園原川が流れている。 こんな谷間の桜では、やっぱり開花も遅いのだろう。 右側のはるか下は園原川。 この桜のすぐそばから東山道史跡苑の古代東山道というのが1.2キロ先の神坂神社まで伸びている。その案内に滝の文字を発見して、滝好きはつい歩いてしまった。 (滝のレポは製作中) ぽかぽかと暖かい日だったので、市街とは違った散歩を楽しめた。 |
駒つなぎの桜がつぼみも固く、園原ICからここに向かうまでに見た街路の桜の木も1分咲き程度だったので、国道256号を妻籠宿方面に進んだ清内路村にある「黒船桜」は見たかったのだがあっさり諦めた。咲いていない桜は他の雑木と同じである。 諦めて、今度は新潟方向に帰りながら飯田市のはずれの桜を攻めることにした。 飯田市の西、喬木村に「氏乗の桜」という名木があるが、これは帰りのルートから少し遠いので諦める。帰りのルート上にある桜は、「麻績の舞台桜」、「瑠璃寺の地主桜」、「原田の桜」の3本である。 |
麻績の舞台桜 樹齢350年のヤエシダレベニヒガン。 ベニヒガンというだけあって、 本当にピンクが濃い。 しかも、こんもりとした姿がとても美しい。 ひとつ上の写真は実は舞台校舎がわからの撮影。 こちらがいわゆる正面だ。 観光客がひっきりなしに記念撮影していた。 花がまばらに見えるが、 実際に見るとかなりのボリュームである。 ちょっと穴場的なアングルになるが、 麻績神社の石段を登って桜を見下ろした。 もっと晴れていて、青空であれば、 さぞ素晴らしい姿になっただろう。 |
麻績の舞台桜は、元善光寺のそばにある。元善光寺は飯田のあたりを走っているとイヤでも看板が目につくので、迷わずに行くことができる。 なぜ元善光寺というのか、前々から気になっていたが、善光寺を開いた人の出生地だそうで、長野の善光寺とこの飯田の元善光寺を両方お参りしないと片参りになる、といわれているそうである。 国道153号から案内の通りに右折して線路を渡るとすぐに臨時の駐車場があったので、そこに入れてしまった。臨時駐車場と言っても10台とめられるかどうか、といったスペースである。そこから5分と歩かないうちに元善光寺だった。 お寺そのものにも桜の花がたくさんあったのだか、我々のお目当ては「舞台桜」である。お寺の入り口を通り過ぎると遊歩道があり、綺麗に整備された道を坂を登る感じで歩いて行くと、旧座光寺小学校の敷地に出る。 最初宴会用の桜の広場があり(グラウンドだったのかしらん)正面に旧校舎、そして、濃いピンクが美しい舞台桜がすぐに目に飛び込んできた。 いや、これは綺麗な桜だ。 形がよく、勢いも素晴らしい。 説明書きによると、花びらの数が5枚〜10枚が入り乱れて咲く「半八枝垂れ紅彼岸桜」というもので、下に花びらの数の出現率と新しい品種の桜と判定された、と書かれたものもあった。 本当に八重である。 さすがに元善光寺のお隣だけあって、観光客が多く、またどこかの女子高の茶道部がお茶を振舞っていたりするので全体が華やかな雰囲気だった。 これが舞台校舎。 ちなみに、なんで舞台桜というかというと、旧座光寺小学校校舎が歌舞伎の舞台と合体して作られた校舎だったからだそうだ。 むしろ私は桜こそが舞台に乗っている主役じゃないかしらん、と思ったのだけれど。 |
続いては、高森町にある「瑠璃寺」を目指す。 実は市田柿のふるさとであるこのあたりは、昨年の秋に通ったことがある記憶に新しい道である。(この時行った不動滝のレポはこちら) |
瑠璃寺の地主桜 この桜は4代目らしい。 初代はなんと源頼朝公が寄進したというから ものすごい歴史のある桜である。 瑠璃寺にはあと2本同じ伝説の桜があるが、 よく調べて行かなかったので、 この大きな桜だけで満足してしまった。 手前にとても色の濃い山桜らしい桜があった。 枝垂桜とのツーショットも綺麗だ。 |
長野の名瀑「不動滝」に向かう大島川沿いの道を高速道路をくぐってほどなくで右折すると、すぐに瑠璃寺である。 もっと大きなお寺かと想像していたが、予想に反して建物も境内も実に小ぢんまりとしていた。 瑠璃寺。お寺の脇にも桜。 道を進むとほぼ正面に瑠璃寺の地主桜があった。 あいにく空が曇ってきて、せっかくの枝垂桜の色が今ひとつパッとしないが、枝を四方に張り出した姿が見事である。 桜の名所ということで、駐車場にはひっきりなしに自動車が行きかっていたが、我々はうまい具合に出る自動車の直後だったのですんなり駐車することができた。 あとで調べて発覚したのだが、この瑠璃寺には2007年、つまり今年から「もりわじん」氏作の猫の焼き物を展示した「薬師猫神様」なるものが公開されているそうで、そうと知れば絶対に見に行ったはずなのに。(←猫好きです) 我々が向かった道は、お寺の横から入る道で、正面にあった「瑠璃の里」という建物から入っていれば目についたはずである。 桜ばっかり探しているから、ちょっと惜しい見逃しものをしてしまった。 |
昨年の秋に通ったことのある道なので、近くに公園があるのは分かっていた。 人気のない公園に入り込んで、あずまやでお湯を沸かして昼食にする。 まさに、ちょうど遠くから正午のサイレンが聞こえてくる時間である。なんだか長いことウロウロしているようだが、まだ午前中だったのだ。 公園とはいえ、遊具一つなく、本当に誰もいない寂しい場所だったので、お昼だけ食べて、最後の目的の桜を目指すことにした。 |
原田の桜 樹齢500年のエドヒガン。 2本の木に見えなくも無いが、 中央が大きく腐食してなくなっていて、 空洞どころか土が溜まっていた。 雲ってしまって背景の山がよく見えないが、 南アルプスが望めるらしい。 根元には、馬頭観音などの石仏が いくつも並んでいた。 |
今回の南信州の桜の最後は、原田の桜である。 この桜は実は別に見なくていいんじゃないか、と思っていたのだが、ここに行こうと決めていた温泉の近くにあるのである。(温泉のレポートはこちら) どうせそばまで行くのだから、見てやろう、ということになった。 どうせついでだから、というわりに、しかし、この桜は見つけるのが大変だった。 本当に目印一つないのである。 せめて県道から入る場所に桜のマークと矢印でもつけていてくれれば楽だろうのに。 中央自動車道松川ICから国道153号まで伸びている県道59号からちょっとだけ外れた場所にあるのである。 そのちょっとだけはずれているせいで、桜の姿が自動車からは本当に見えない。 しかも、よく見る左の写真の方向は大きな道からは裏側になる。 さらにつけ加えれば、原田の桜、という看板すらなかった。 なぜ我々が見つけることができたかというと、県道59号を行き過ぎて、Uターンしなくてはならなくなり、わき道に入った。同じ道を戻るのもイヤなので県道59号には戻らずに進み、このあたりかしらん、と県道に復帰するために入った道に偶然桜があったのである。 写真集で何度も見ている桜なので見間違わなかった。 もし原田の桜を探そうという人は、県道59号を松川ICから進んだ場合、まずヤマト運輸のある場所で左折。そこから少し進んで、左手に布袋様か大黒様か、石で作ったお地蔵様大の石像が花壇の中に立っていて、緯度だの経度だのが書かれている看板が前に置かれている場所がある。この正面の小さな道に入って(つまり、右折である)ほんの数メートルのところに桜がある。 さんざん苦労して、というか、偶然にもみつけて、とりあえず本日のしめくくりを撮影することができた。 あとは、近くの温泉に行って疲れを癒し、新潟に帰るだけである。 って、かなり遠いんですが。 まだお昼を少し回った所と気を許していたら、帰り道に道を間違え、とんでもなく遅く帰宅する羽目になるオマケつきだったが、それでも充分すぎるほど春を満喫できた。 長野は、本当にいい桜の多い県である。 長野の春は華やかだ。 |